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更新料裁判

2011-08-18(木) 08:12:32

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 更新料裁判とは,マンションやアパート,事務所等の不動産賃貸借契約において,更新料を支払うと定めた条項が消費者契約法に照らし,違法であるか否かが争われた裁判です。

 消費者契約法第10条は,「消費者の利益を一方的に害する契約は無効」と定めており,更新料がこれに該当するか否かが争点となっていました。

 下級審での判断は以下の通り割れており,更新料の支払いを定めた条項が有効であると判断したものもあれば,無効と判断したものもありました。

 東京地裁H17.10.26判決 有効

 京都地裁H20.01.30判決 有効

 大津地裁H21.03.27判決 有効

 京都地裁H21.07.23判決 無効

 大阪高裁H21.08.27判決 無効

 京都地裁H21.09.25判決 無効

 大阪高裁H21.10.29判決 有効

 大阪高裁H22.02.24判決 無効

 そして,大阪高裁での3つの裁判は全て上告され,最高裁がどのような判断をするのかが注目されていましたが,平成23年7月15日,最高裁は「更新料が高額過ぎなければ有効」とする初判断を下し,借主側の敗訴が確定しました。

 これにより,貸主側はこれまで通り更新料の条項を入れておくことができるようになりましたが,仮に貸主敗訴になっていた場合,貸主にとっては経営上かなりの痛手になっていたものと思われます。

 といいますのは,最高裁での借主側の主張は,更新料の支払いを定めた条項が無効であることを前提に,更新料の支払拒絶を主張するだけではなく,過去に支払った更新料の返還をも求めていたからです。

 もしも最高裁が更新料の支払い条項を無効と判断していたならば,全国で同様の訴訟が乱立し,賃貸事業は大混乱になっていたことでしょう。

 そういった意味において,この最高裁判決は大変意義のあるものと言えそうです。

 また,更新料裁判に類似する訴訟として取り上げられる敷引裁判ですが,こちらも平成23年3月24日の最高裁判決に続き,同年7月12日の最高裁判決でも敷引有効との判断が下されました。

 これにより,借主退去時に貸主が敷金から一定の金額を控除する敷引条項(関東ではこれを「保証金の償却」といいます。)は,消費者契約法に違反せず,原則有効であるとの見解が確立されたものと言えそうです。

季節外れの税制改正

2011-07-22(金) 07:58:19

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震災の影響で今年度の税制改正は例年と大きく異なった動きをしておりまして、3月末の繋ぎ法案を経て,6月30日に「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」が成立しました。

この改正法は例年と異なる時期に成立したためか余り脚光を浴びてませんが,消費税に関してかなり重要な改正項目を含んでおります。

まず,仕入税額控除制度が改正され,納税者にとって不利になりました。

消費税は,「売上げに係る消費税から仕入れに係る消費税を控除し,余りを納税する(マイナスの場合は還付)。」という仕組みですが,この仕入れに係る消費税を控除する部分が制限されるようになります。

具体的には,これまで課税売上割合が95%以上の場合は,課税仕入れに係る消費税額の全額の控除が認められていたのですが,改正後は当該課税期間の課税売上高が5億円以下の事業者に限定されるようになりました。この改正は平成24年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

次に,事業者免税点制度が改正され,納税者にとって不利になりました。

これまでは,2年前の課税売上高が1千万円を超えない場合には消費税の納税義務はありませんでしたので,設立初年度及び2年目は自動的に消費税は免税となっていたのですが,改正後は前年上半期の課税売上高又は給与支払総額が1千万を超えた場合には,免税とならずに消費税の納税義務が生じることとなりました。

この改正は平成25年1月1日以後に開始する年から適用されます。

役員として出向している者の給与負担金に注意

2011-06-28(火) 07:29:16

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出向者が出向先法人において役員である場合、出向元法人が出向先法人に対して支払う給与負担金は、次の条件を満たす場合にのみ出向先法人の給与とされます。

①出向先法人が支払う給与負担金の額につき、株主総会等の決議を得ていること。

②出向契約において出向者の出向期間及び給与負担金の額が予め定められていること。

親会社が使用人を子会社に役員として出向させた場合に、当該出向社員に対する毎月の給与は親会社が本人に支払い、当該給与に相当する給与負担金を子会社が親会社に支払うということはよくあることだと思います。

この毎月の給与については上記①及び②の条件を具備していれば問題ありませんが、税務調査でよく指摘されるのが賞与です。

賞与を親会社の業績により金額を決定して本人に支給し、それに相当する給与負担金を子会社が親会社に支払うといったケース。このケースでは、賞与部分は上記②の条件を充足しないため子会社において損金不算入となります。

そのほか出向に伴う給与負担金については、取扱いを間違えると税務上問題になるケースが多々ありますので注意が必要です。

プレゼント付き定期預金について

2011-06-08(水) 07:54:36

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個人が国内において「懸賞金付預貯金等の懸賞金等」を取得した場合,当該懸賞金等は利子と同様に取り扱われ15%の所得税と5%の住民税が源泉されます。

この「懸賞金付預貯金等」とは,一定の期間継続されるもので,以下の条件により,くじ引き等で金品等の支払いが行われるものをいいます。

①抽選権は,預貯金等の一定額若しくは残高などを基準として,一定の期間の継続に対して1個又は数個が与えられるものであること。

②一の抽選ごとの懸賞金等の総額は,くじ引き等の対象とされる預貯金の総額に応じて定められていること。

③くじ引き等の期間,懸賞金等の支払開始日及び支払方法が定められていること。

ところで,今般,横浜銀行が,定期預金を預け入れた個人に対して,抽選により10万円相当の宿泊招待券,5,775円相当のカタログギフト,1,000円分のクオカードをプレゼントすることに対しての課税の取扱いを東京国税局に事前照会を行ったところ,当該定期預金はプレゼントの抽選方法が上記②の一定の基準によっていないという理由から,所得税と住民税を源泉徴収する利子所得ではなく,法人からの贈与ということで「一時所得」に該当する旨の回答を得ているようです。

そうすると一時所得ですから50万円の特別控除の適用があるため,他に一時所得に該当するものが無ければ課税されずに済むことになりそうです。

法人が解散したときの役員退職給与

2011-05-25(水) 10:38:05

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法人を解散する場合、解散日で一旦事業年度が終了し、翌日から新たな事業年度が始まります。

このとき、解散日までの事業年度を「解散事業年度」、それ以降の事業年度を「清算事業年度」といいます。

そして、最終的に清算結了をした日を含む事業年度を「残余財産確定の日を含む事業年度」といいます。

法人が解散すると「清算人」というものを定め、解散日以降は清算人が法人の解散事務を行うことになりますが、中小企業の場合は代表取締役であった人がそのまま清算人に就任することがほとんどです。

中小企業が解散する場合は借入金が多額にあって赤字で解散することが多いと思いますが、この借入金については債務免除をしてもらい、債務免除益を計上することが多いです。

そうすると、債務免除益に対して法人税が課税されてしまうので、欠損金等があれば別ですが、それがない場合には役員退職給与を支給する(したことにする)などして対応する損金を計上する必要があります。

あるいは、借入金も欠損金もないけれども不動産があり、これを退職金代わりに代表取締役名義にするとか、または本当に換価するといった場合に、不動産の譲渡益と対応する形で役員退職給与を計上するとことを検討します。そうしないと多額の税金が課される恐れがあるためです。

このとき、代表取締役であった人がそのまま清算人に就任するということは、同じ人が継続して事務を行うということですから、実質的に退職をしてないのではないか、よって、退職給与を損金計上しても否認されるのではないか、という疑問が生じます。

しかし、これは国税庁の質疑応答事例できちんと手当されていて、「解散後引き続き役員として清算事務に従事する者に支給する退職給与は退職手当として取り扱う」旨が公表されています。

所基通30-2(6)を参照してください。