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生命保険契約照会制度

2022-02-20(日) 13:23:17

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もしもの時のために多くの人が生命保険に加入していると思いますが,契約内容や保険証券の保管場所等を家族が知らない,知らせていないというケースは案外多いように思います。

 

そのような状況で一人暮らしの親が亡くなったり,認知症になったりしますと,相続人等は生命保険の加入状況がわからないため,預金通帳や保険会社からの通知を基に保険会社に問合せをして一契約ごとに保険の存在と契約内容を確認することになり,相続人等にとってはこの作業が非常に負担となります。

 

そこで,このような事例に対応するため,一般社団法人生命保険協会が「生命保険契約照会制度」を創設しましたので概要をご紹介します。

 

<制度の概要>

1.照会者が生命保険協会へ照会を申し出る。

2.生命保険協会が加盟している生保各社(全42社)へ生命保険契約の有無を照会する。

3.生保各社は照会対象者の契約有無を生命保険協会へ回答する。

4.生命保険協会は生保各社の結果を取りまとめて照会者へ回答する。

 

照会制度を利用できるのは,平時においては①親や家族が死亡したときや②認知判断能力が低下したときです。

災害時においては③災害救助法が適用された地域で被災したことによる死亡又は行方不明のときです。

 

照会制度を利用できる者は,平時において①照会対象者が死亡している場合や②認知判断能力が低下している場合は,法定相続人,法定代理人又は任意代理人,遺言執行人及び3親等内の親族等です。

災害時において③照会対象者が死亡又は行方不明となっている場合には,照会対象者の配偶者,親,子又は兄弟姉妹とそれらの法定代理人又は任意代理人です。

 

照会の申し出(申請)方法は,平時はインターネット又は郵送で,災害時には電話でも申請可能です。

 

制度の利用料は1回の照会につき税込3,000円で,クレジットカード払い又はコンビニエンスストアでの支払いとなります。

なお,災害時は利用料はかかりません。

 

照会者への回答内容ですが,平時において①照会対象者が死亡している場合には照会対象者に係る生命保険契約の有無と照会者が保険金等を請求することが可能な契約である場合にはその旨を,②照会対象者の認知判断能力が低下している場合には照会対象者に係る生命保険契約の有無のみとなります。

③照会対象者が災害により死亡若しくは行方不明となっている場合は照会対象者に係る生命保険契約の有無と照会者が保険金等を請求することが可能な契約である場合にはその旨となります。

 

したがって,上記のとおり生命保険協会からの回答内容は,原則として生保各社における契約の有無のみであるため,契約の存在が判明した場合には,契約内容の確認や保険金・給付金の請求については,当該契約に基づく権利を有する方から生保会社へ直接連絡する必要があります。

 

照会申請に必要となる書類は,照会者が誰であるかの区分に応じ厳格に定められています。

例えば,平時で照会対象者が死亡している場合において法定相続人が照会者である場合の必要書類は,照会者の本人確認書類,法定相続情報一覧図又は相続人と被相続人の関係を示す戸籍等及び死亡診断書となります。

 

以上,生命保険契約照会制度の概要をご紹介しましたが,このような制度を利用せずとも全ての生命保険契約の内容や保険証券の保管場所を家族が事前に把握しておくことが理想的であり,更に言えば,生命保険契約に限らず不動産の権利証や預金通帳等の保管場所も事前に家族と共有しておくことが重要と思われます。

 

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