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適格請求書等保存方式(インボイス制度)の概要

2018-08-27(月) 16:27:29

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平成31年10月1日から消費税の仕入税額控除の要件が変更となり,同日~平成35年9月30日までは区分記載請求書等保存方式に,同年10月1日以降は適格請求書等保存方式(インボイス方式)に変更となります。

 

今回は適格請求書等保存方式(インボイス方式)の概要をご説明します(区分請求書等保存方式は前号参照)。

 

消費税は,預った消費税から支払った消費税を控除して,残りがあれば国に納付する(マイナスなら還付される)制度です。

従って,支払った消費税の控除が認められないと納税額が多くなる(又は還付額が少なくなる)のですが,この支払った消費税を控除する要件を厳しくしようというのが適格請求書等保存方式です。

 

消費税を計算する際に,支払った消費税を控除することを仕入税額控除といいますが,適格請求書等保存方式の下では,原則として,仕入税額控除をするためには適格請求書の保存が要件となります。

 

適格請求書とは,「売手が,買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段」としての書類で,一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類をいいます。

 

適格請求書を交付できるのは「適格請求書発行事業者」に限られ,適格請求書発行事業者となるためには,所轄の税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」(以下「登録申請書」)を提出し,登録を受ける必要があります。

税務署長は,登録申請書の提出があった場合には,氏名又は名称及び登録番号等を適格請求書発行事業者登録簿に登載し,登録を行います。また,相手方から交付を受けた請求書等が適格請求書に該当することを客観的に確認できるよう,適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項については,インターネットを通じて公表されます。

登録申請書は平成33年10月1日から提出可能で,適格請求書等保存方式が導入される平成35年10月1日から登録を受けるためには,原則として平成35年3月31日までに登録申請書を提出する必要があります。

 

適格請求書発行事業者には,国内において課税取引を行った場合に,相手方(課税事業者に限る)から適格請求書の交付を求められたときは適格請求書の交付義務が課されています。

また,適格請求書の保存が仕入税額控除の要件となりますので,不正を防ぐためにも適格請求書発行事業者においても,発行した適格請求書の写しの保存が義務付けられています。

 

尚,課税事業者でなければ適格請求書発行事業者の登録を受けることができないことになっているのですが,実はこれが小規模事業者にとっては大きな問題です。

 

繰り返しになりますが消費税は預かった消費税から支払った消費税を控除して残りがあれば納付する(マイナスは還付される)制度ですが,平成35年10月1日以降は仕入税額控除をするためには適格請求書の保存が義務付けられるわけですので,当然,多くの事業者は適格請求書を発行できない免税事業者(そのほとんどが小規模事業者)との取引は避けるようになることが予想されます。

 

そうすると免税事業者は,取引が減っても免税事業者のままでいるか,或いは課税事業者を選択して適格請求書発行事業者となり自らも消費税を納税する立場になるかの判断を迫られることとなり,いずれにしても現況との比較においては不利になるわけです。

 

一応,経過措置として,免税事業者が発行する請求書であっても平成35年10月から3年間は80%,平成38年10月から3年間は50%の仕入税額控除が可能とされていますが,適格請求書等保存方式導入が小規模事業者の経営へもたらす影響は大きいと言えます。