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フリーランス新法について

2023-10-06(金) 17:26:44

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近年,働き方の多様化が進展する中,フリーランスという働き方もその選択肢の一つですが,フリーランスについては多様な働き方の一つとしてだけでなく,経験ある高齢者の雇用の拡大,健康寿命の延伸,社会保障の支え手・働き手の増加などの観点からも注目が集まっているところ,下請法と独占禁止法だけではフリーランスを保護する法律としては必ずしも充分であるとは言い難いという問題がありました。

 

そこで,フリーランスに係る取引の適正化及び就業環境の整備を図り,フリーランスとして受託した業務に安定的に従事することができるよう「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が今年5月12日に公布されました。2024年中に施行される予定です。

 

<この法律の対象となる当事者と取引の定義>

・フリーランス 業務委託の相手方である事業者で従業員を使用しないものをいう。

・発注事業者 フリーランスに業務委託する事業者で従業員を使用するものをいう。

・業務委託 事業者がその事業のために他の事業者に物品の製造,情報成果物の作成又は役務の提供を委託することをいう。

 

※一般的にフリーランスと呼ばれる方には,従業員を使用していたり,消費者を相手に取引をしている方も含まれますが,この法律におけるフリーランスには該当しません。

※この法律上は,フリーランスは特定受託事業者,発注事業者は特定業務委託事業者と定義されていますが,ここではそれぞれフリーランス,発注事業者と表現しています。

 

<この法律の主な内容>

この法律の施行後は,業務委託の発注事業者は,その形態に応じ,次の項目がそれぞれ義務化されます。

 

A従業員を使用していない発注事業者 → 以下の①が義務化されます。

B従業員を使用している発注事業者 → 以下の①②④⑥が義務化されます。

C従業員を使用していて継続的業務委託をする発注事業者 → 以下の全てが義務化されます。

 

①書面等による取引条件の明示

書面等で,委託する業務の内容,報酬の額,支払期日等の取引条件を明示すること。

 

②報酬支払期日の設定・期日内の支払

発注した物品等を受け取った日から数えて60日以内の報酬支払期日を設定し,期日内に報酬を支払うこと。

 

③禁止事項

フリーランスの責めに帰すべき事由なき成果物の受領拒否,報酬減額,返品等をしてはならないこと。

 

④募集情報の的確表示

フリーランス募集に関する広告等に際し,虚偽表示や誤解を与える表示をしてはならず,内容を正確かつ最新のものに保たなければならないこと。

 

⑤育児介護等と業務の両立に対する配慮

継続的業務委託について,フリーランスが育児や介護などと業務を両立できるよう,フリーランスの申出に応じて必要な配慮をしなければならないこと。

 

⑥ハラスメント対策に係る体制整備

フリーランスに対するハラスメント行為に関する相談対応のための体制整備などの措置を講じること。

 

⑦中途解除等の事前予告

継続的業務委託の中途解除や更新しない場合は,原則として30日前までに予告しなければならないこと。

 

※継続的業務委託とは一定の期間以上行う業務委託のことで,具体的な期間については今後政令で定められる予定です。

 

違反があった場合には公正取引委員会,中小企業庁長官又は厚生労働大臣が発注事業者に対し,助言,指導,報告徴収・立入検査,勧告,公表,命令をすることができ,命令違反及び検査拒否等に対しは,50万円以下の罰金が科されます。

 

※ブログの内容等に関する質問は一切受け付けておりませんのでご留意ください。