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法人の役員報酬について

2014-09-19(金) 11:56:22

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 法人税法上,法人に支給する役員報酬は使用人給与とは区別され様々な規制があります。

 上場会社は別として,同族会社の場合は役員報酬をある程度自由に決定することができますので,それを全部認めていたら課税上弊害があるからです。

 

 例えば,ある法人が今年度役員報酬を1,000万円と決定していたところ,期末になって利益が500万円出そうだから役員報酬を予定より500万円多く支給したとします。そうすると当然利益は0円となり法人税も0円です。これを認めてしまうと法人税は常に0円となってしまいます。

 そこで,法人税法では,「定期同額給与」といいまして,原則として最初に決定した月額役員報酬は1年間変更できないことになっています。

 

 定期同額給与の条件は要約すると次のとおりです。

 ①支給時期が1ヶ月毎で,その支給額が毎月同額であること。

 ②金額が改定された場合は事業年度開始から3ヶ月以内の定時株主総会で改定されたものであること。

 この定期同額給与に該当しない役員報酬は,支給しても原則として法人税の損金としては認めてもらえませんので注意が必要です。

 

 定期同額給与以外で法人税法上認められる役員報酬に「事前確定届出給与」というものがあります。

 これは,ある時期にいくらを支給すると事前に税務署に届出ておく役員報酬で,例えば,6月と12月にそれぞれ100万円をA役員に支給すると事前に届出ておいて,その通りに支給した場合はそのまま損金として認められる,というものです。

 しかし,届出と違う時期に支払ったり,違う金額で支払ったりした場合は損金として認められません。

 

 ここで注意すべきは,届出た金額は上限ではないということです。6月に100万円を支払うと届出たが実際には90万円を支払った場合,届出た金額以下だから認められるだろうと思いがちですが,この場合90万円全額が否認され損金となりません。

 

 また,定期同額給与や事前確定届出給与に該当した場合であっても,過大な役員報酬は損金として認められません。この場合において,何をもって過大と判断するかは難しいところですが,法人税法には実質基準と形式基準というものが設けられており,それに照らして判断することになります。

 実質基準では,役員の職務の内容,法人の収益,使用人に対する給与の支給状況,類似法人の役員報酬の支給状況等を総合勘案して判断されます。

 また,形式基準では,定款の規定や株主総会等の決議によって定められた支給限度額以内であるか等を基準に判断されます。

 

 上記以外にも,使用人兼務役員に対する賞与や役員退職金に関する規定,役員が関連会社に出向や転籍した場合の取扱い等もあり,かなり複雑な事項となっていますので,役員に対する報酬については慎重な対応が望まれます。