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贈与でもらった不動産を未登記で7年経過すれば贈与税は回避できる!?

2010-09-02(木) 17:32:03

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贈与による財産の取得の時期は、書面によるものは契約効力発生の時に、書面によらないものについてはその履行の時に贈与があったこととされています。

ただし、その贈与の時期が明確でないときは、特に反証のない限り、財産の登記があった時に贈与があったものとして取り扱われます。

では、次のような場合、贈与税は回避できるでしょうか?

Aさんは7年前に父から自宅とその敷地を贈与により取得し、その内容を公正証書にしてずっと保管してきました。本来であれば贈与により取得した年の翌年3月15日までに贈与税の申告をしなければならないのですが、登記名義人を変更しなければ税務署はわかるまいと思い、名義変更はしませんでした。

そして7年後、課税の時効が成立したと思い、父からAさんへ登記名義人の変更を行いました。

(租税債務の時効は最長で7年です。)

Aさんのロジックは、「公正証書という書面を残しているのだから、贈与契約の効力発生時はあくまでも公正証書を作成した時である。不動産登記は義務ではないのだから名義変更をしなかったことに問題はない。だから贈与税を課税することはできない。」 というものでした。

はたしてどうか?

税務署は、不動産の名義変更を行ったときが贈与のときであるとして当然に課税してきます。

Aさんは争います。

そして、国税不服審判所は次のように裁決しました。

「本件公正証書の作成目的は租税回避にあり、それ以外に特段の必要性がなかったものと推認され(中省略)、実態の伴わない形式的文書にすぎず、本件公正証書によって贈与が成立したとは認めることはできない」

当然と言えば当然です。

これが認められればみんなやります。

しかし、次のようなケースは課税されずに済みました。

亡きBさんの相続税の申告に関し税務調査がありました。

調査を進めていくなかで、亡きBさんが10年前に相続人Cさんに現金5,000万円を贈与していることが発覚しました。Cさんはその現金で不動産を購入し、その名義はCさんで登記しました。

が、Cさんは贈与税の申告はしていませんでした。

税務署は何とかして課税できないものか色々言ってきます。

現金贈与は書面がないから贈与は実行されていない、よってその現金(預金)は亡きBさんの名義預金だ、よって今回の相続税の課税対象だ。

あるいは、

名義預金で不動産を購入したのだからその不動産は登記上はCさんでも本来の所有者はBさんだ、よって今回の相続税の課税対象だ。

更には、

その現金は贈与ではなくて貸付金だ、よって今回の相続税の課税対象だ。

しかし、最後は税務署は諦めました。

租税債務の時効は7年ですから、贈与税を課税するためには10年前に贈与があったのではなく、その後に贈与があったことを税務署は立証しないとなりませんが、きちんと登記されているのですからそれは無理です。

次に、相続税で課税しようとすると、贈与した現金は実は贈与ではなく貸付金であったと立証しなければなりませんが、他の状況から当事者同士に返済する意思があったとは思えない事実がありましたのでそれも無理でした。

結局、何のおとがめなしです。

よって、

「贈与でもらった不動産を未登記だと7年経過しても贈与税は回避できない。」ですが、

「贈与でもらった不動産を登記して7年経過すれば贈与税を回避できる。」場合もある、と言えそうです。

でも皆さんきちんと申告はしましょう。