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賃貸不動産の取得に係る各種費用の税務上の取扱い

2026-03-09(月) 10:22:13

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賃貸不動産を取得する際には物件の購入価額をはじめ各種費用を支払うことになりますが,これらの各種費用の税務上の取扱いは次のとおりです。

 

・土地付きで購入した建物の取得価額

 非減価償却資産であると土地と減価償却資産である建物を一括で購入した場合には,購入した時における時価により合理的に按分する必要がありますが,売買契約書に消費税率の記載がある場合には,原則としてそれを基に按分することが合理的であると考えられます(土地の譲渡は消費税非課税であるため)。

 売買契約書に消費税率の記載がない場合は,実務的には固定資産税評価額を基に按分するケースが多いです。

 

・固定資産税の精算金

 固定資産税の納税義務者はその年の1月1日時点における所有者です。不動産売買の取引慣行として引渡し後の固定資産税を買主が負担することがありますが,この精算金は租税ではなく売買金額の一部として取扱われます。よって,固定資産税の精算金は土地及び建物のそれぞれの取得費又は取得価額に算入します。

 

・仲介手数料

 購入した資産の取得価額には,購入対価以外にも引取運賃,荷役費,運送保険料,購入手数料,関税,その他当該資産の購入のために要した費用を含むことになっています。よって,仲介手数料は合理的に按分して土地及び建物の取得費又は取得価額にそれぞれ含めます。実務的には土地及び建物の購入価額の比で按分します。

 

・登録免許税,登記費用及び不動産取得税

 登録免許税等の租税は取得価額に算入しなければならないという考え方もありますが,これらの租税は資産の取得後に納付するものであることや,それが減価償却資産である場合には償却期間を通じていずれ費用化され,土地である場合には利用している限り費用化されないこと等を考慮し,これらの費用はその支出時に必要経費に算入することが認められています。

 

・立退料

 土地や建物等の取得の際に,その土地や建物を使用していた者に支払う立退料は,その土地や建物の取得費又は取得価額に算入します。

 

・土地と共に取得した建物等の取壊し費用

 建物等が存する土地を取得し,取得後1年以内にその建物等の取壊しに着手するなど,当初からその建物等を取壊して土地を利用する目的であることが明らかである場合には,その建物等の取得費用及び取壊し費用は,その土地の取得費に算入します。

 

・土地の防壁や石垣積み等の費用

 埋立て,土盛り,地ならし,切土,防壁工事その他土地の造成又は改良に要した費用は,その土地の取得費に算入しますが,その規模,構造等から判断し,土地と区分して構築物の取得価額とすることもできます。

 

・契約解除に伴い支出する違約金

 既に締結されている不動産購入契約を解除して他の物件を取得することとした場合に支出する違約金は,必要経費に算入されたものを除き,その取得した不動産の取得費又は取得価額に算入します。

 

・業務開始前の借入金の利子

 新たに不動産賃貸業を開始しようとする者が借入により不動産を購入した場合に支払う借入金利子のうち,その業務の開始までの期間に対応するものは,その不動産の取得費又は取得価額に算入します。

 

・地鎮祭や上棟式の費用

 建物の着工前や建設中に行う地鎮祭や上棟式等の儀式に係る費用は,その建物の取得価額に算入します。

 

・落成式の費用

 落成式の費用等の減価償却資産の取得後に生ずる付随費用は,建物の取得価額に算入せずに必要経費に算入することができます。

 

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