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関連者間取引に係る書類保存の特例の創設

2026-08-14(金) 17:38:18

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令和8年度の税制改正において,「関連者間取引に係る書類の整理保存の特例」が創設されました。

以下,概要をご説明します。

 

法人税法では,取引に関して相手方から受け取った注文書や契約書等の書類及び自ら作成したこれらの書類等については保存しなければならないこととされていますが,当該書類等にその取引の詳細な内容や支払額の計算の根拠の記載等が十分にされていない場合には,取引の実態解明が困難となることがあります。

 

とりわけ,一定の支配関係がある法人間の取引(いわゆるグループ内取引)においては,当事者間の関係に照らし,取引に関する詳細な資料が作成されないことも多く,そのような場合には取引情報が外部から把握し難く,取引の実態解明がより困難となります。

 

そこで,このような取引情報の記載等が十分でない場合があることを踏まえ,内国法人に対し,「関連者」との間で「関連者間取引」を行った場合において,当該関連者間取引に関して受領し,又は作成した書類等に「必要記載事項」の記載等がないときは,その記載等がない事項を明らかにする書類を取得し,又は作成するとともに,その特定事項記載書類の整理及び保存をしなければならないこととされました。

 

本特例における「関連者」とは,法人で,その青色申告法人との間にいずれか一方の法人が他方の法人の発行済株式等の総数等の50%以上の株式等を直接又は間接に保有する関係その他の一定の特殊の関係のあるものをいいます。

また,「関連者間取引」とは,次の(1)又は(2)の取引のうち,販売費,一般管理費その他の費用の額の基因となるものをいいます。

(1) 関連者がその青色申告法人に対して行う工業所有権等の譲渡又は貸付け(工業所有権等に係る権利の設定その他工業所有権等を使用させる行為を含む。)

(2) 関連者がその青色申告法人に対して行う役務の提供のうち一定のもの

 

関連者間取引に該当する役務の提供の具体例としては,研究開発,広告宣伝,資産の貸付け維持管理,経営管理指導,情報の提供などが該当しますので,子会社や関連会社との取引がある場合には,ほとんどのケースで本特例の適用があると考えられます。

 

そして,当該役務の提供の場合に求められる「必要記載事項」とは,事業活動の内容又は役務の具体的な内容及びその提供の態様並びにこれらに係る対価の額又は役務の提供に係る費用の額及びその計算方法等について把握することができるものをいい,例えば,次のそれぞれの類型に応じて,それぞれに掲げる情報が「必要記載事項」に該当します。

(イ) 費用分担等に係る事業活動として行われる場合には,当該事業活動の内容,その実施方法,場所及び回数並びに当該事業活動により内国法人が受ける利益の内容並びに当該内国法人が負担する費用の額を算出する根拠となった計算方法等に関する情報

(ロ) 経営の管理又は指導等に係る役務の提供として行われる場合には,その役務の具体的内容,その提供の態様,提供の頻度又は期間及び当該役務の提供に係る対価の額の計算方法等に関する情報

(ハ) その他これらに類する役務の提供として行われる場合には,その役務の提供の日時,場所,期間又は回数,その具体的内容,対価の額の内訳及びその計算方法等に関する情報

 

なお,本特例は,関連者間取引に関する書類等に必要記載事項の記載等がない場合に特定事項記載書類の保存等を義務付けるものでありますが,その保存等が行われていないことのみをもって,関連者間取引に係る費用の損金算入が直ちに認められない,ということではありません。

しかしながら,本特例に基づく特定事項記載書類の保存義務は法人税法における通常の帳簿書類の保存義務の範疇に含まれ,それを怠った場合には青色申告の承認の取消し事由に該当することが明らかにされていますので留意が必要です。

 

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