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不動産所有者の住所等の変更登記が義務化されました

2026-05-19(火) 14:59:34

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 相続登記や住所等変更登記がされないこと等により, 不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地,所有者が判明しても所在が不明で連絡がつかない土地を所有者不明土地といいます。
 所有者不明土地は所有者の探索に多大な時間と費用が必要となり,公共事業や復旧・復興事業が円滑に進まず民間取引や土地の利活用の阻害原因となったり,土地が管理されず放置され,隣接する土地への悪影響が発生したりするなど様々な問題が生じています。
 所有者不明土地の割合は九州の大きさに匹敵するともいわれており,今後,高齢化の進展による死亡者数の増加等により,ますます深刻化する恐れがあり,その解決は喫緊の課題となっています。
 そこで,所有者不明土地の主な発生原因である相続登記の未了及び住所等変更登記の未了に対応するため,令和3年に法律が改正され,これまで任意だったこれらの登記が義務化されることになりました。

 

 令和8年4月1日より,不動産所有者(所有権の登記名義人)は,氏名若しくは名称又は住所(以下「住所等」)について変更があったときは,その変更日から2年以内に変更の登記の申請をすることが義務付けられました。
 同日より前に住所等を変更した場合であっても,変更登記をしていない場合には義務化の対象となり,令和10年3月31日までに変更登記をする必要があります。
 正当な理由がないのに住所等変更登記の義務を怠ったときは,5万円以下の過料の適用対象となります。
 ただし,登記官が義務違反の事実を把握しても直ちに裁判所への通知(過料通知)を行うことはせず,登記官が過料通知を行うのは,義務に違反した者に対し相当の期間を定めて義務の履行を催告したにもかかわらず,正当な理由なくその期間内に申請・申出がされないときに限られます。
 正当な理由とは,例えば,住所等変更登記の義務を負う者がDV被害者等であり,住所等を登記することで生命・身体に危害が及ぶ恐れがある状態にあって避難を余儀なくされている場合等が該当しますが,個別の事案における具体的な事項に応じて「正当な理由」を判断することとされています。

 住所等変更登記の方法ですが,簡単な申出を1回しておけば,法務局で住所等の変更を確認し,職権で変更登記をしてくれる「スマート変更登記」という制度が用意されています。

 

 不動産所有者が個人の場合における「スマート変更登記」の流れは次のとおりです。

  1. 事前にWEB又は書面により「検索用情報の申出」をしておく(検索用情報とは,氏名,フリガナ,住所,生年月日,メールアドレス)。
  2. 法務局は2年に1回程度,住基ネットに照会して住所等の変更の有無を確認する。
  3. 住所等に変更があった者に対し,変更登記をしてよいかを確認するメールを送信又は書面を送付する。
  4. 変更登記をしてよい旨の回答があった者について,順次,職権で変更登記をする。

 

 なお,上記スマート変更登記の手続の過程において,法務局が住基ネットに照会して住所等の変更の有無を確認した際に,その者が死亡し,又は失踪の宣告を受けたことを把握した場合には,戸籍の確認等の所要の確認を行った上で,その者について符号の表示を行います。

 これにより,不動産の登記記録から,その不動産所有者の死亡の事実を確認することが可能となります。

 

 不動産所有者が法人の場合における「スマート変更登記」の流れは次のとおりです。

  1. 外国法人等を除く全ての法人は商業・法人登記システムにおいて「会社法人等番号」が登記されている。
  2. 商業・法人登記上の住所等に変更があった場合,当該変更情報を不動産登記システムに提供する。
  3. 上記情報の提供を受けて,順次,職権で変更登記をする(登記名義人に意思確認はしない)。

 

 なお,海外に居住する個人や会社法人等番号のない外国法人等は,法務局で住所等の変更の事実を確認できないため,住所等に変更があった場合には自ら変更登記の申請をする必要があります。

 

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