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ゴルフ会員権の譲渡による節税

2012-09-21(金) 08:50:30

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個人がゴルフ会員権を譲渡し譲渡益が発生しますと,譲渡所得として所得税及び住民税が課税されます。

一方,譲渡して譲渡損が発生した場合は,損益通算と言いまして,給与所得など他の所得と相殺できます。相殺すれば当然ですが税金が安くなります。

 

ところで,所得税法では,別荘や競走馬,1個30万円を超える貴金属や骨董品などを「生活に通常必要でない資産」と定義しており,これらを譲渡して譲渡損が発生したとしても,他の所得と相殺する「損益通算」の適用は無いと規定しています。これらはいわゆる贅沢品ですから,贅沢品を譲渡して損をしたとしても税金を安くしてあげる必要は無いという趣旨です。

 

ところが,所得税法上,ゴルフ会員権はこの「生活に通常必要でない資産」に含まれていません。よって,ゴルフ会員権を譲渡して譲渡損が発生した場合,給与所得など他の所得と損益通算することができます。

 

常識的に考えて,ゴルフ会員権が「生活に通常必要でない資産」であることは明らかですので,もう何年も前からこの部分は改正されると言われ続けていますが,今のところ改正されておりません。

 

お持ちのゴルフ会員権の相場が,購入した時よりも大幅に下落している場合,売却を検討されても良いかも知れません。

企業にお勤めで給与収入がある方の場合は,退職する前に検討して下さい。退職後ですと,折角譲渡損を発生させても,そもそも相殺する他の所得が無ければ意味が無いからです。

また,相続によりゴルフ会員権を手に入れた場合であっても,被相続人が購入したときの金額を引き継ぎますので,被相続人が購入したときよりも今の相場が下落している場合は,売却して譲渡損を発生させ,他の所得と損益通算することができます。

 

ゴルフ会員権に関する税制はいつ改正されてもおかしくありませんので,使える節税方法が封じ込まれる前に一度ご検討下さい。