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小規模企業共済を利用した所得税の節税
年末近くになると必ず「今からでも所得税大幅に節税できます!」いうフレーズを目にしますが、このからくりは小規模企業共済です。
小規模企業共済とは中小企業基盤整備機構がやっている共済で、個人事業主や会社役員向けの退職金準備制度のことです。
制度の内容を簡単に説明しますと、自身の退職金を毎月(あるいは毎年)共済の掛け金という形で積み立てておき、実際に退職する(廃業する)際に一括して退職金を受給する、というものです。
そして、この掛け金の全額が所得税を計算する上で所得控除として控除できるので、12月に共済に加入して1年分の掛け金を一括して支払うと、その全額がその年の所得控除の対象になります。
しかも、数年後に受け取る退職金は「退職所得」に該当し、給与や配当よりも有利な税制となっており、掛け金を支払う入り口で税制上有利、退職金を受給する出口で有利、という優れモノです。
個人事業主でまだ加入していない方は是非加入をお勧めします。
平成23年1月からは個人事業主の配偶者にも加入の道が開ける予定です。
簡単な経営分析
経営分析はとても重要です。
自社の商品(サービス)の中で、売れ筋のものか何か、今後、どの分野に力を注ぐべきか、今資金を投入すべき部分はどこか、半年後・1年後の資金繰りは大丈夫か等、これらを判断する情報を得るために経営分析はとても役に立ちます。
しかし、経営分析と聞くと何かとても難しいことのように感じる経営者の方がいらっしゃいますが、そんなことは全然ありません。まずは比較論から入れば取っ付きやすいと思います。
基本は前年同月比ですが、前年だけでなく前々年同月も比較すると更に商品(サービス)の流れが見えてきます。同業者平均がわかる場合は、それと比較することでも業界における自社の位置がある程度わかります。
そして、前年同月比が下落している商品があった場合には、なぜ下落したのか等の原因を追及することが重要です。
数字の集計(情報の整理)→分析と原因の追及→行動計画の立案と実行
このようにして、計画的に経営を行いましょう。
損だしのための現物出資
10月1日からグループ法人税制が適用されます。
グループ法人税制が適用されると、親会社が100%子会社に不動産を譲渡しても譲渡損益は認識されません。
譲渡損を吐き出して利益を圧縮しようと考えていた会社は、9月末までに不動産譲渡を実行する必要があります。但し、グループ内で不動産を譲渡する場合であっても譲渡代金の決済はきちんと済ませておく必要がありますので、譲渡損は吐き出したいけれど不動産をやり取りするキャッシュがない!という会社は案外多いのではないでしょうか?
そんな時、現物出資を検討すると良いかも知れません。
現物出資は読んで字のごとく、現物を出資する行為ですが、例えば不動産を所有している会社がその不動産を出資して(それを資本金に充てて)子会社を設立することができます。
譲渡ではないので不動産を受け入れて設立された会社は、購入資金を用意する必要はありません。
但し、設立に伴う登記手数料、不動産の所有権移転に係る登記手数料は当然に負担しなければなりません。
不動産取得税は一定の要件のもとに非課税です。
現物出資をした会社は不動産の譲渡損を計上するだけで、他に税が課される心配はありません。
このように現物出資は上手に使えばかなり有効な節税手段になり得ます。
但し、子会社設立後の事業形態には十分注意が必要です。
中身がなく単なる箱だけの子会社ですと、後々税務署から否認される可能性があります。
子会社設立後の組織形態をどうするか、不自然な形態になっていないか、組織改編のストーリーに無理はないか、これらを十分に検討する必要があります。